この物件、見たことがある方も多いのでは。鎌倉駅西口から、時計台広場を抜けて。地下道の横から上がったところにある、あの建物です。
カフェだった頃に足を運んでいましたが、小町通りや御成通りの賑やかさから、少し離れただけでとても落ち着いた空間が確保されていて、特に2階席からはJR横須賀線の線路が見え、さらに遠くには山が見え…。ぼんやりとひとりで過ごすのにぴったりの場所で好きでした。
古くは女性向けのブティックだったという建物。現況は、1階はモルタル仕上の床や広々としたカウンターが残されています。2階は天井は梁あらわしで、床はフローリング。スタイリッシュでありながら、柔らかい表情も見せてくれる内装で、古い木造住宅を店舗へリノベーションすることを考えていた方なら、そのまま使いたくなるのでは。夏になると外観が蔦に覆われて、それもまたいい表情なのでお楽しみに。
この物件、実は窓が多いし外にテラスもある。換気とか、密にならないという点でもいいんじゃないかと思うのです。
だったら、せっかくの立地と広さを生かして、いい人たちが集まる店ができてほしい。生活雑貨、植物、家具、アパレルの商品が並び、カフェとギャラリーを併設するなど。これだけ鎌倉への移住熱が高まっている中ですので、鎌倉らしい衣食住のライフスタイルを総合的にプロデュースするような店があるといいな、と思います。
オンラインだけで多くのことが完結できるし、情報も得られる世の中ではあります。でも、その場の空気感とか、わざわざ足を運ぶから得られる時間や、その場に集まったひととのコミュニケーションも大切にしたいと、この2020年に思い至った方も多いのではないでしょうか。そして、鎌倉は「空気感」や「時間」「ひと」を大切にする場所であるとも思います。
と、言いながらオンラインとオフラインを上手く並行させることも、これからの時代には必要なのでしょうね。そんなビジネスの実験所として、考えてみてもいいのかもしれません。
オンラインショップも同時に立ち上げるか、もしくはオンラインで成功しているECサイトが実店舗を持つのも、チャレンジとしていいかもしれません。そして、ぜひ地元の作家さんや農家さんともコラボレーションしてほしいです。
賃料設定は鎌倉駅前価格かと思いますが、この場所を狙っていた人はいるはず。挑戦者を待っています。 |