パークハウスっていい響きですが、こういうのをパークハウスって言うんじゃないかなって思うんですよね。ただし、正確には公園との間には民間の土地があるようなので、「今のところは」という借景なのですが、恩恵を受けることができるうちは、この緑を楽しめます。
鎌倉に暮らして、はじめて知ったのですが、鎌倉には「タブノキ」という木が多いのです。ご存じですか?たぶの木。結構な大きさで高いものでは30mくらいになるそうで、潮風にも強く、葉もびっしり詰まっているので、沿岸の地域に多いのかもしれません。そんなたぶの木が立派にそびえる公園の近くにこの家はあります。
ただ、冒頭にもお伝えした通り、公園との間には民地があるので、この家のプランも公園を向いている訳ではないのです。それでも十分なくらいのお庭があるので、もしもとなりの空き地に家が建っても、この家に長く住んでしまいそうな幸せな空気感がある家です。
昭和56年築と、築年数はそれなりにベテランの域に入ってきていて、設備もそれなりに古くなっているものが多いのですが、どこかこのまま大切に使い続けたい感じがするんですよね。キッチンは昔ながらのバックサイドに配置されているんですが、それがかえって空き地越しに公園が見えてよい。さらには勝手口から外に出れば井戸(使用の可否は不明)があったりして、なんともレトロな世界にタイムスリップできるのです。
ここで洗濯物を干しながら、子どもたちが遊ぶ声を聞いて暮らす日常はまさに昭和。室内では、リビングとダイニングを仕切る壁に角を丸く切り取られた開口部をくぐる感じもいい。これに併せて昭和なオーディオセットとか配置してみたくなりますね。
もしくはフレンチポップなテイストを狙ってみるのもいいかもしれませんね。庭にはレトロでカラフルなパラソルとか置いてみたい。天気の良い日はこの庭でランチってのも良いですね。バーバキューもいいですが、個人的にはランチボックスやバスケットにサンドイッチみたいなピクニック風味が似合いそうだなって思います。
そう、パラソルで思い出しましたが、ここは材木座。このパラソルをたたんで歩いて海まで持って行ける距離です。もう、こんな暮らしをはじめたら、海街感が半端じゃないですね。ちなみにトンビの声もバッチリ過ぎるほど聞こえるはずです。
建物は各個室が独立していて収納もしっかり。入居者のタイプに併せて色々な使い方ができそうです。リモートワークが増えてきた昨今、こうした独立性の高い個室はオンライン会議に向いているかもしれないですね。特に2階の北側の9.6帖の部屋は窓の外が緑の斜面なので、ある意味で集中力高められそう。
さて、ここで注意点をふたつほど共有させていただきます。ひとつは駐車場がないということ。近隣でお探しいただくようになります。そしてもうひとつは北側が山の斜面になっていて土砂災害特別警戒区域に指定されています。敷地の境目に鉄骨のフェンスがありますが、それでも心配な方へはおすすめしておりません。
山も海も近い暮らしが魅力の鎌倉では、切っても切れない自然との関係があります。防災訓練などをしっかりしながら、鎌倉の暮らしを楽しんでもらえればと思っています。ちなみに隣の公園は地域のみなさんの協力でつくられた公園で、津波災害時の避難場所として裏山に上がることができる公園になっています。 |