住宅 | ||||||||||||||||||||
墨とインク |
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外観は堂々として、まるで水墨画のような力強さ。中に入ると、すっとインクで描かれたような繊細な表情。外観と内観が、違った画材で描いたように、印象ががらりと変わるんです。 ゆったりした庭には、年月を感じさせる梅、桜、松などの古木たち。その庭を囲んで、やや開いたコの字型の建物が建っています。 この建物、築年不詳なのですが、手を入れながら住まわれてきたのでしょう。設備は古いですが、建物の状態は決して悪くありません。むしろ、時を経てきた建物にしか出せない美しさを見て欲しい。例えば、薄墨色になった木の外壁の表情や、腕のある建具職人が手掛けたであろう繊細な建具など。 障子や木建具のタテヨコの精度が良く、ピシッと水平垂直が出ていること。よく見ると、桟が面取りしてあり、室内から見た時に実際より細く見せる細工がしてあること。この年代のものにしては、開け閉めもスムーズで、精度の良さを物語ります。 2枚目の写真は、建物の中心にある8畳の和室なのですが、この眺めがとても端正に感じられたのは、おそらくこんな理由からじゃないでしょうか。 あるいは、1階の各部屋に木材の丸い部分を残して製材されている「面皮柱」を発見したのですが、これは本来、茶室などに使われる木目を楽しむための柱だそう。それが家の中にあるなんて、なんとも粋じゃないですか。建物全体に繊細な美意識が宿っている気がして、ディテールを語り出すと止まりません。 第一種低層住居専用地域なので、用途は住居がメインになりますが、飲食や店舗、事務所の兼用もあり。玄関も2ヶ所で生活動線と区切りやすそうなので、一日一組限定のレストランや趣味の教室としても魅力的になりそうな予感。 さらには建物の裏手に手洗いのある小屋があり、内装もされているので物置にするのはもったいない。一人で籠れるアトリエや陶芸小屋なんかに使えそうです。 これからも住み継いでいくためには、計画的な修繕も必要でしょう。2階には一部、建具まわりに雨漏り跡があり、床も少し傾きがある感じ。他にも各所、雨戸の開け閉めがしづらかったり内装の痛みもあるので、現状を活かしつつ、修繕を考えていただければ。 桜の季節になり再訪したこの場所は、芽吹きだす生命力にあふれていました。色を添えられた水墨画の世界に、会いに来てください。 |
庭|和室2からの眺め。 |
和室2|インクですっと引かれたような障子や木建具のラインが軽やか。 |
洋室|角がアールになっている天井が印象的。暖炉のようなものは、暖房機を置く場所だったのではと想像。 |
アプローチ|緑に囲まれた石畳を進みます。 |
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価格 | 1億7,800万円 | 建物面積 | 98.50㎡ |
管理費 | なし | 修繕積立金 | なし |
所在地 | 鎌倉市山ノ内 | ||
交通 | JR横須賀線「北鎌倉」駅 徒歩5分 | ||
建物構造 | 木造 2階建て | 所在階 | |
築年 | 不詳年 | 土地権利 | 所有権 |
敷地面積 | 486.13㎡ | 都市計画 | 市街化区域 |
用途地域 | 第一種低層住居専用地域 | 建蔽率/容積率 | 40%/80% |
その他費用 | 取引態様 | 媒介 | |
設備 | 公営水道/公共下水/都市ガス | ||
備考 | 地目:宅地/現況:空室/引渡時期:相談/築年月は不詳です/増築未登記部分(面積不詳・南東側和室部分)あり/接道:法第42条2項道路(約2.9m)/敷地面積にはセットバック面積約31平米を含む/宅地造成工事規制区域/景観計画(谷戸の住宅地) | ||
情報修正日時 | 2024年3月7日 | 情報更新予定日 | 2024年5月11日 |