物件詳細情報
 

sale   NEW 住宅

ひらく家

 
価格:
5,980万円
面積:
161.73㎡(建物)
324.03㎡(敷地)
   
所在地: 鎌倉市浄明寺四丁目
交通: JR横須賀線「鎌倉」駅 バス11分 「青砥橋」バス停 徒歩13分
管理費: なし
修繕積立金: なし

【価格変更しました】

大きな吹き抜けの空間を中心に、外にも内にも開いている家です。


断熱気密性能や個室の確保が重視されるようになった現代において、どうやって閉じるか、部屋数を稼ぐかという点を競い合う流れがまだまだ主流のように感じます。プライベート空間を確保しようとするあまり、コミュニケーションの取りづらい間取りになっている家を見かけることも少なくありません。


そんな潮流に逆行するかのような設計となっているのが今回の物件。設計したのは建築家の吉田桂ニ。大学時代は吉村順三や数寄屋建築の吉田五十八、修行時代は機能主義的な住宅を多く手がけた池辺陽という、その時代を代表する建築家に師事していました。


伝統建築を軸に土地の風土に合わせた現代的なアップデート、そして開放空間で家族間のコミュニケーションを促す「広がり間取り」を取り入れた設計は、一見すると純和風な造りでありながら間取りの構成や建具の収まりなど細部にモダンさが漂い、築34年になるこの家も色褪せない輝きを放っています。


家全体に開放感を感じる要素のひとつが窓が多い事とその収まりだと思います。大きな吹き抜け空間のハイサイドライト、座敷をL字型に囲む回り縁に設けられたワイドな引違い窓、廊下や洗面のフィックス窓。全てが木製サッシで、ほとんどの引違い窓がすっぽり壁に収まるのです。


好きな窓を2つに絞るとしたら、ひとつは2階西側洋室に設けられた窓でしょうか。家は高台に建っていることもあり、ここからの眺望は抜け感が素晴らしい。胡桃ヶ谷(くるみがやつ)の住宅街の向こうに山の緑を望み、天気が良ければ富士山も拝めるそうです。サッシが完全に壁に収まるので、その眺望はまるで一枚の絵のよう。


もうひとつ推したい窓は回り縁を囲む2組の引違い窓。ただでさえワイドな窓なのに、これを全て開け放つことで豊かな植栽で彩られた庭を心置きなく楽しむ事ができます。ここだけ切り取ると平安時代にタイムスリップしたかのような感覚に。


家の形が庭に向かって雁行型になっているおかげで、リビングや奥の書斎からも庭の緑が浸透してきます。縁側に腰掛けて庭を愛でるもよし、書斎でモノを書きつつ眺めるもよし、ぜひお気に入りの場所を見つけてください。ただし夏場は蚊も多いので網戸は必須です。


開放感の工夫は家の外側だけでなく内側にも。間取り図を見てみると、引き戸で仕切られてはいるものの、玄関→和室→リビング→書斎→和室→納戸→リビング→キッチン→玄関と1階をぐるっと回遊できる設計に。またリビングを通らないことには2階へ上がることもできません。吹き抜け空間は1階と2階を立体的に繋げる役割も果たしています。プライベート空間を確保しつつも、空間で繋げてコミュニケーションを密にする。なんとも美しい間取りです。


開いてばかりいると快適性に問題があるんじゃない?、という声が聞こえてきそうですが、実は快適性も考えられています。パッシブエアサイクルと呼ばれる、壁に通気層と内壁空洞、屋根に通気層を設け空気を自然循環させる工法で造られているのです。オーナー曰く、冷暖房器具はあるものの、それらをつけなくても夏はヒンヤリ、冬はホワーっと暖かいんだとか。撮影した日はジリジリ照りつける暑い日でしたが、室内は確かにヒンヤリしていて気持ちよかったのが印象的でした。


他にも書きたいことはたくさんありますが、もうひとつだけお伝えしたいことが。それはオーナーこだわりの茶室があること。現オーナーのご両親はお茶が趣味でよく茶会を開いていたそう。家の設計の際、ほとんどの部分は吉田氏におまかせでしたが、茶室だけは自ら図面を持って三畳台目の水屋付き茶室を造って欲しいと相談されたそうです。玄関脇に設けられた茶室は、約3畳半の空間に曲り柱と多窓障子が設けられたこもれる空間となっていて、ただここに座っているだけで心があらわれる気がします。


用途地域の関係や地主の意向もあり住居兼店舗という利用は出来ませんが、住みながら創作活動に没頭したり、茶会を開いてみたりと、暮らす+αという視点で家探ししている方にぜひとも見ていただきたい物件です。


※本物件は旧法借地権となります。