賃料：

10万円

面積：

33㎡

金額の大小に限らず、想像の斜め上をいく物件にたまに出会うことがあるのですが、今回はまさにそんな物件です。雨戸を開けた瞬間に心の中でバンザイをしてしまいました。

取材前は、2階建の戸建なのに33平米しかない、という部分がユニークだなというくらいの印象でした。実際行ってみると明らかに40平米以上はありそうな広さだったので、そこは良い意味で期待を裏切られたのですが、注目してほしいのはそこではなく部屋からの借景です。

家が密集する住宅街にありながら、隣と奥が奇跡的な抜け方をしているんです。隣にはパターゴルフのコースが3つくらいは作れそうな広さの庭、奥には生垣と3〜4mほどの高さの樹々が植えられた庭に隣り合っています。部屋が2間続いて奥に長いうなぎの寝床のような間取りなので、洞穴から外に出た時の開放感的な、そんな効果もあるのかもしれませんが、窓を開けた時のスコーンと抜けた眺望はぜひ現地で体感してほしいと思います。

1階は植栽が近いので窓の外に緑が見える面積が多めです。さらにテーブルや椅子が置けるくらいのルーフ付きテラスがあるので、洗濯物を干すだけでなく、緑を眺めながらアフタヌーンティを楽しみたいものです。

もうひとつ嬉しいのは、この家が建っている場所が道路の転回広場正面ということ。家の正面も抜けているため、2階にあるキッチンの窓を開放して鼻歌を歌いながら料理したくなる、そんな空間でした。

玄関入ってすぐの部屋（2階は階段上がってすぐの部屋）には、庭側に窓がなく反対側は家が迫っていることもあって、やっぱり照明がないと暗いです。ただ、この暗さがあるからこそ奥の部屋の明るさが際立つと考えれば、ある意味大事な役割を果たしているのかもしれません。

正面向かって左側部分が「スパンッ」と切り取られたような外観と、どっしり構えた大谷石の塀のアンバランス感にジワジワと愛着がわいてきました。駐車場はありませんが、玄関前にはちょっとしたスペースがあり、自転車やサーフボードを置くことも出来そうです。

この絶妙な立地と眺望とサイズ感＋賃料。ありそうでなかなかないと思います。