<価格変更しました>
それは4年程前の年末のこと。とある配布物をお世話になっている皆様に配ってまわっている時、しんどい山のてっぺんの家まで果敢に歩を進めた帰り道。何気なく見たひとつ隣の山の上に数軒の家が立ち並ぶ住宅地のトップにひときわ輝くコンクリートの平家を発見したのでした。
この家がある土地は擁壁に囲まれており、通りからはその全貌を伺うことはできません。しかし、ひと山向こうから引いて見ると、それはそれは広い庭がある敷地に贅沢な平家。きっと由比ガ浜の海がきれいに見えるであろう位置に興奮していました。鎌倉の花火もきれいに見えるだろうなと。
そんな、ひと山向こうから憧れの眼差しを送っていたこの物件が販売になりました。ドキドキしながら現地を伺うと、思ってもみなかった新たな発見や少し残念な複雑な思いもする濃密な時間になったのでした。
まず現地に行って分かった最大の発見は、由比ガ浜の海も見えるのですが、それ以上に稲村ガ崎方向の海がきれいに見えること。これには驚きました。周辺は入組んだ山と谷で構成された地形であるため、現地で初めて知ることができるこの眺めには正直やられました。
逆に、由比ガ浜方向は電線や家々が少し気になるかもしれません。けれど庭木などを整えればそこはクリアできそうです。
そしてお楽しみの古家は築年数不詳であり、それなりに老朽化が進んでいました。遠くからはとてもカッコいい外観しか見えていなかったのですが、さすがにこの年数でしかもしばらく人が住んでいなかったのか傷みは進行しています。天井には部分的にめくれてしまっていて漏水の恐れや動物などの被害も受けている様子。これに合わせて海にも近いことから塩害を受けて錆による劣化も進んでいました。
そういう訳で、この物件は土地として販売されています。それでも丁寧に建物を診断し、保存・改修を計画する人がいてもいいのではないか思う建物です。窓の大きさやデッキなどの構成はとても素敵ですので、これを活かして内部の設備を総取り替えしてくれる方が現れることを願って止みません。
4LDK+3SLDKという間取りをどう使いこなすか。贅沢な平家での2世帯住居なんていう可能性もあるかもしれません。私の想像では、既存の建物は来客の多い方のセカンドハウスとして計画された感じです。
第一種低層住居専用地域ですので、建物すべてを店舗や旅館などにすることは出来ません。あらかじめご注意ください。
<古家概要> 構造:鉄筋コンクリート造平家建 面積:274.86平米 その他:増改築部分あり(昭和53年10月頃) |