賃料：

23万円

面積：

94.40㎡

美術館に住みたいと思ったこと、ありませんか。壁いっぱいの大きな抽象画。あるいは、世界のどこかからやってきた魅惑的なお面や農具。そんなものが映えそうなホワイトキューブに住めるとしたら、わくわくしませんか。

場所は葉山町堀内。のどかな児童公園があったり、かと思うと歴史を感じさせる立派な邸宅が急に現れたり。いわゆる高級住宅地ではなく、地に足の着いた品の良さを感じられる住宅地です。海沿いの道から細めの道を山の方に入っていくと、急な坂道の手前に、白い外壁と手入れされた植栽が空気感を作っている一群の集合住宅があらわれます。

一見よくある集合住宅のようですが、よく見ると整理された窓の配置や、わざとなのか経年劣化なのかわからない、でもいい感じにくたびれたコンクリート階段。贅沢な石貼りの舗装。ちょっと普通じゃない美意識を感じて、気分は高まります。

さて、そもそもホワイトキューブとは。ニューヨーク近代美術館(MoMA)に代表される現代美術館の空間手法で、白く主張のない均質な空間が美術品の展示に適していると言われています。

境目が曖昧な白い壁と天井。ニュートラルなフローリング。装飾の少ない直線的なしつらえが、この部屋をホワイトキューブのように見せています。

美術館を連想させるのは、住宅としては変わったつくりだからかもしれません。平面図からはわかりませんが、1階の大きい方の部屋は天井高が3m以上あるんです。それにより表れた巨大な白い壁。この部屋は、対象と観賞用の椅子だけを置いて、なんとも贅沢なアートに捧げる部屋にしたいものです。

そして、アートの収蔵におあつらえ向きなのが、1階と2階の間にあるサービスルームの存在。天井高さは1mほどですが約10帖あるので、平置きで絵画や彫刻も保管できそう。

寝室は１階の小さな部屋がいいでしょう。窓から裏手の緑と洋館がちらりと見え、静かで落ち着いて過ごせそうな部屋です。

2階のLDKは南向きの大きな窓に面していて、開放的です。少し遠いですが、海も見えます。奥行きたっぷりの扉付き収納もあるので、物が少ない方なら厳選された家具だけを余裕をもって配置して、生活感は隠す暮らし方もできそうです。

余談ですが、美術館の休憩スペースって、実は貴重な名作家具がさりげなく置かれていたりしますよね。それらをゆっくりと試すには、平日の常設展巡りがおすすめです。家具でも作品でも、本当にいいと思うものをいつか自分の家に迎えたい。そして、それらと共に大好きな美術館の中にいるみたいに住めたら。そんな妄想が叶いそうな部屋なのです。