<価格変更>
鎌倉のお屋敷をご紹介する機会に恵まれました。推定、昭和8年築の財閥系による住宅建築が今もその姿を変えずに、ここ扇ガ谷にあります。
この物件がある道は、最後行き止まりになってしまうので、普段から人通りが少ない落ち着いた環境。ここまではよくある話ですが、個人的にはこの道は奥の行き止まりまで何度も行きたくなる道なのです。それはこの道に素敵な住宅がひっそりと佇んでいる風景を知っているからです。
今回、売主様にいろいろとお話を伺うことができ、これまで「この通りにはどうして素敵な家が多いのか」という私の疑問に少しヒントがもらえたのです。
この通りは「海軍通り」(ちなみに、海軍通りという名は鎌倉市内に他にもあります)と呼ばれ、軍の関係者や財閥系の家が並んでいたそうなのです。風情のある通りは、道路から家に入るのに小川を渡る家もあったり、生垣や垣根が見事な家があったり、和風住宅も洋風住宅もそれぞれゆったりとした土地に優雅な風景をつくり出しています。それでいて観光の人力車の撮影スポットにはなっていなかったり。
撮影で言えば、この住宅も何度か映画やドラマの撮影のオファーをいただいていたそうで、確かにここを舞台にした作品が想像できます。しかしながら近隣への配慮やプライバシーもあるので、これまで撮影場所としては使われずにここまできました。
建物は応接間を除いてはすべて和室。ひたすら畳の部屋で構成された住宅はそれぞれに目的があるのでしょうが、部屋数が多いので、どの部屋がどんな用途で計画されたのか悩みます。しかし庭との関係や室内の設を見ればなんとなく想像はできるかもしれません。ただそれほどに大型の住宅なので、現在は少々持て余しているような状態です。
建物は居住中なので、生活に必要なメンテナンスは施されているのですが、なにせ建物延べ床面積が100坪を超える大きさがあるので、すべてに手が行き届いている状態をキープするのは、ある意味で現実的ではないですが、ここを拠点として自宅+アトリエ(仕事場)のような使い方をされる分には、自宅+別の仕事場をキープするよりはよっぽど効率が良いかもしれません。
昨今の状況を考えると、この建物の間取りは住居兼仕事場に向いていて、庭は道路からへ見えず、プライベートな外部空間も確保された、快適な生活ができる環境であると考えられます。
自らの生活のために家庭菜園を楽しみつつ、丁寧に家をメンテナンスしながら生活する。子供の声を聞きながら、仕事部屋で仕事をする。そんな暮らしができる方も増えてきました。こうした風景がこれからの鎌倉お屋敷暮らしの新しい日常なのかもしれません。 |