物件詳細情報
 
この物件は成約済みです

rent   住宅

夏休みの縁側

 
面積:
87.03㎡
   
所在地: 鎌倉市坂ノ下
交通: 江ノ島電鉄線「長谷」駅 徒歩5分

夏休みという言葉から連想される風景は、いつからかこんな縁側になっているみたいです。


都会から田舎のおばあちゃんの家に帰った時に、ひさしぶりに再会した仲良しのいとこたちと、裸足を投げ出してこの縁側に座り、庭に小さなプールを出してひと遊びして、少し水に慣れたら海へGO!


その間、親同士はおしゃべりに花を咲かせ、庭のプールはスイカ冷やし基地となり、ブタの形をした陶器の蚊取り線香置きがいつの間にかスタンバイされ、海から帰るとまたこの縁側からスイカの種飛ばし大会がはじまる。そして日が暮れれば浴衣に着替えて線香花火大会。


もはや、実体験としてこんな体験をしたことがある人は少ないのかもしれませんが、アニメや映画などの影響もあって、誰もが簡単に想像ができるこの縁側の風景。


現場の職人さんたちも休憩時間となると、おもむろにこのポジションに集まるのです。解体がはじまって、はじめに剥がされた畳もしばらくはこの縁側に積み上げられ、最後まで私たちの打ち合わせスペースに。また、現場に来てくれた近所の方たちも建物内部を見終えると、決まってこの縁側に座って思い思いの時間を過ごしていきました。


皆が帰り、縁側に足を投げ出して、ブラブラさせさせながらしばらく空を眺めていると、風鈴の音にトンビの声が混ざり、ハッと我に返る。


鎌倉らしい風景をつくりたい。


それがこの物件を改装することにした理由です。改装素材としては十分に可能性を持った家ですが、長い時間の経過の中で様々な補修やリフォームが繰り返され、この家の魅力はこのままでは伝わらない。


しかしこの家の魅力を表現することは、簡単そうに見えて、実はとても奥深いものでした。そもそも「鎌倉らしさ」とは何なのか。この答えを探す旅から出発することになったのです。この鎌倉らしさとは何かについては、連載コラムをお読みください。(記事はこちら↓)

鎌倉R不動産が考える“鎌倉らしい風景とは”


この改装工事のテーマはふたつ。

①新建材を取り払うこと

②柱や梁に洗いをかけること


これらをデザインコードとして、解体を進め、丁寧に洗いをかけていくにつれて、最後の仕上げをどうするか。いよいよ決断の時を迎えます。この最後の仕上げこそが「鎌倉らしさとは何か」の答えになるのです。


この物件がきっかけとなって、私自身の過去の体験を振り返り、考え悩み続けて辿り着いたひとつの答え、それは「鎌倉らしさとは、外への美意識と身近な自然素材で作られる」ということ。


この気づきから既存の新建材に代わる外構のアイデアが生まれました。竹で作られた雨樋や照明器具。さらには室内の電気配線に使われるモールに至るまで、徹底的に新建材を取り除き、身近に手に入り、交換可能な素材である竹を使うことで鎌倉らしい化粧を施しました。


この物件がある鎌倉市坂ノ下というエリアの特徴は、細い道がジグザグと続き、その先の海へ出ることができる漁師町。車が入って来れない狭い通りには海からの潮風が入り込み、トンビの声が空の上からゆったりとした時間の流れをつくってくれます。


周辺には江ノ電の線路を渡ってお参りする御霊神社や創業300年以上の歴史を持つ和菓子店の力餅屋など、古くからの神社仏閣やお店があり、さらに歩けば、あじさい寺として有名な長谷寺(長谷観音)など、今でも人気の観光スポット。


最近では、古民家カフェや民泊施設などが増え、いわゆるレトロでお洒落な雰囲気を楽しむ観光客が足を運ぶエリアに発展してきました。


とは言え、近隣はまだまだ住宅としての生活を続けている家もたくさんあるので、私としては、そのにぎわいは残しつつも、少し落ち着きを取り戻し、地域の方にもホッとしてもらえる、大人っぽい海辺のまちのシンボルとして、この物件が多くの人に愛されるようになることを願っています。

 

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建物面積 87.03㎡
所在地 鎌倉市坂ノ下
交通 江ノ島電鉄線「長谷」駅 徒歩5分
建物構造 木造平家建て 所在階
築年 不詳年 取引態様 貸主
設備 公営水道/公共下水/都市ガス
※掲載の情報が現状と異なる場合には、現状を優先するものとします。