眠る、宝物
基本情報
- 価格:
- 8,000万円
- 面積:
-
99.97㎡~155.21㎡(建物)
1,287.90㎡(敷地)
| 所在地 | 鎌倉市笛田六丁目 | ||
|---|---|---|---|
| 交通 | JR横須賀線「鎌倉」駅 バス12分 「打越」バス停 徒歩2分/江ノ島電鉄「長谷」駅 徒歩16分 | ||
| 管理費 | なし | ||
| 修繕積立金 | なし | ||
物件詳細
トンネルに向かって進むにつれ、観光客の姿が少なくなり、街の賑わいが少しずつ遠のいていきます。トンネルを抜けると、そこはもう観光地・鎌倉とは少し違う、穏やかな郊外の住宅地。商店や宿泊施設が集まるエリアからは、少し取り残されたようにも感じるこの場所に、僕はとんでもない原石が眠っていると常々思っていました。
この場所を初めて知ったのは、今から約7年前。約310坪(現況)の敷地に、3棟の建物。駐車スペースは約3台分。手を入れれば見違えるようになるであろう庭園。そして、瓦屋根の立派な日本家屋と、奥へと続く長屋のような建物です。
長らく使われずにいたこのお屋敷。放っておけば、建物は傷み、庭も荒れていくばかり。けれど、ひとたび息を吹き返すことができれば、今の鎌倉ではなかなか出会えない場所になるはずです。
東側の棟は、瓦屋根に良質な無垢材をふんだんに使った数寄屋造り。純日本家屋に、生活に必要な機能を後から増築したような構成です。1階、2階ともに床の間や欄間、書院など、職人の手仕事による細やかな造作が随所に残っています。庭側からは増築部分が目立たないように工夫されているあたりにも、当時のつくり手のこだわりを感じます。
玄関の引き戸を開けると、三和土(たたき)に沓脱石。現代の住宅ではあまり見かけなくなった段差が、家に上がるという行為そのものを特別なものにしてくれます。
急勾配の階段を上がった2階には、年季の入った無垢板を張った廊下。木製の掃き出し窓は、古い板ガラスが風にカタカタと揺れています。波打ったガラス越しに柔らかな光が差し込み、畳の部屋を照らす。廊下には昭和のランプ。新しいものでは決してつくれない、時間が積み重なった独特の空気が漂っています。
なかでも目を引くのが、2階の細工が施された窓の手すり。ここに浴衣姿で腰掛け、風呂上がりに庭を眺めながら涼む。そんな情景が自然と浮かんできます。
北側の増築部分は傷みが進んでいるため、ここは思い切って改修し、キッチンやトイレなどの水回りを整えたいところ。お風呂も、せっかくなら4〜5人がゆったり入れる大きな浴槽に、さらにサウナまで設けてみる。古い和の空間と現代の快適さを組み合わせた、ちょっと贅沢な旅館のような使い方も面白そうです。
一方、西側の棟は道路から奥へと続く長屋のような佇まい。ただし、手前と奥はそれぞれ独立した建物です。かつて2世帯に加え、2階部分を賃貸として使っていた経緯もあるそう。建物の構成を生かしながら、独立したゲストルームや住まいとして再生することも考えられます。東棟をメインの和の邸宅として、西棟を別棟の滞在空間として使う。もちろん、ひとつの大きなお屋敷として家族や仲間で暮らすという選択肢もあります。
ただし、この場所には大きなハードルがあります。
敷地一帯は、国指定史跡「大仏切通」に関わる史跡指定地内に位置しています。そのため、建物の改築や増築、工作物の設置・撤去、土地の掘削、樹木の伐採などを行う場合には、文化財保護法に基づく現状変更の許可が必要となります。計画の内容によっては実現が難しいものもあり、通常の中古住宅のリノベーションとはまったく違う視点での検討が求められます。
つまり、古家を解体して更地にし、新たな建物を建てるという発想には向いていない場所かもしれません。民泊や旅館業といった事業利用についても、用途や営業許可、文化財保護上の制約など、事前に確認すべきことは少なくありません。
それでも、私はこのお屋敷を残したいと思うのです。
新しく建てれば手に入る便利さとは違う、長い時間をかけてつくられた建物の表情。木の質感、職人の細工、庭との関係、そして周囲の景色。こうしたものが一体となって残っていること自体が、鎌倉らしさなのではないでしょうか。
この場所を知ってから約7年。いつか誰かがこの価値に気づき、建物の姿をできるだけ残しながら、新しい役割を与えてくれる日が来ることを願っています。
鎌倉には、まだこんな物件が眠っている。壊して新しくするのではなく、残すことで価値が生まれる。そんな再生の担い手に出会ってほしいお屋敷です。
| 価格 | 8,000万円 | 建物面積 | 99.97㎡~155.21㎡ |
| 管理費 | なし | 修繕積立金 | なし |
| 所在地 | 鎌倉市笛田六丁目 | ||
| 交通 |
JR横須賀線「鎌倉」駅 バス12分 「打越」バス停 徒歩2分 江ノ島電鉄「長谷」駅 徒歩16分 |
||
| 建物構造 | 木造 2階建て | 所在階 | |
| 築年 | 築年不詳 | 土地権利 | 所有権 |
| 敷地面積 | 1,287.90㎡ | 都市計画 | 市街化区域 |
| 用途地域 | 第一種住居地域 | 建蔽率/容積率 | 60%/200% |
| その他費用 | 取引態様 | 媒介 | |
| 設備 | 公営水道/公共下水/個別プロパンガス | ||
| 備考 | 地目:山林/現況:空室/引渡時期:相談/法第22条区域/第3種風致地区/鎌倉市景観計画/歴史的風土保存地区(長谷・極楽寺地区)/国指定史跡内(件名:大仏切通、指定年月日:昭和52年8月10日)/公簿売買(土地面積:1287.90㎡、有効面積(4筆合計):668.92㎡、法地面積:618.98㎡/西側建物①面積:155.21㎡、構造:木造亜鉛メッキ鋼板葺2階建、新築:昭和24年、昭和51年と56年に増築、西側建物②面積:99.97㎡、構造:木造亜鉛メッキ鋼板葺2階建、新築:昭和42年、東側建物面積:130.57㎡、構造:木造瓦葺2階建、新築年:不詳/接道:西棟、南側8.5m公道に約8.2m接道、東棟、南側8.5m公道に15.3m接道/土砂災害警戒区域内/増築未登記部分あり(調査中)/売主契約不適合は全て免責とします | ||
| 情報修正日時 | 2026年11月6日 | 情報更新予定日 | 2026年11月21日 |
