賃料：

33万円

面積：

141.12㎡

またしても趣味の延長線をひた走る改装物件が完成しました。何度かご紹介しているアンティーク家具や照明、そして船舶系のパーツをリメイクしたものやその他、たくさんの輸入パーツが散りばめられた家です。

アプローチもちょっと変わっていて、前田川という川を渡って敷地に入るという、一風変わったアクセス。それでも車は２台分近隣に確保されている物件です。これはもう、マニアックなパーツセンターに住めると思った方がイメージしやすいかもしれません。

築60年の建物をきれいに片付けて、改修する際に船舶窓やウッドデッキを造作しつつ、独特のカラーセンスとインテリアによって、海の近くの街に似合うマリンレトロ（そんなテイスト名は聞いたことはありませんが）な雰囲気を生み出してくれました。

サイズも大きな物件ですので、住宅利用だけではちょっともったいないかもしれません。店舗や事務所を兼ねた使い方ができる物件を探している方に、このテイストが似合うようであれば上手に使いこなしていただきたいと思います（契約条件は要相談）。

改装の中身をご紹介すると、まず1階。私の感想ですが、ここはまるで船の中にいるような空間だなと思っています。実際に船に使われている船舶窓が居室にも使われていて、温かみのある黄色の壁面にはマホガニーのような渋くて艶のある木製のインテリアが似合います。ここにある家具も物件についてきます。

1階のウッドデッキは、まるで船の甲板を思わせる海原VIEWではなく、林が一面に広がっている風景。このギャップもわるくないです。ちなみにこの林はもう少し整備される予定だそうで、もっと良くなる予定です。

キッチンもまた魅力的。1階玄関からすぐのところにあるキッチンはさまざまな形の窓に囲まれています。玄関側はステンドグラス、水栓のあたりには二連の横滑り出し木製窓、さらにIHクックングヒーター前には四角い船舶窓。それぞれカッコ良い、カッコイイいのです！

なんかだこのキッチンを見てしまうと、仲間たちがキッチンの中や外からワイワイやりながら飲み物や食べものをいろんな窓から受け渡し合っている風景を想像してしまうんですよね。あぁ、楽しそう。

そして２階へ。こちらはプライベートな空間という印象も受けました。階段を上がると廊下は薄いミントグリーン調。そこにある照明や建具も落ち着いた雰囲気。けれどもここでも私の期待は軽やかに裏切られます。

和室に入ってびっくり。赤いです。結構な赤。さらに市松模様の襖紙。これはもうここで暮らすことへの挑戦状なのでしょうか。それともパーツセンター故のチャレンジ精神なのか。でも決して悪くはない。むしろこの空間を使いこなすために頭をひねりたくなる空間です。

この他の3部屋はシンプルできれい。しかしよく見ていけばエアコンのコンセントカバーはマーキュリー。スイッチパネルは木製パネル。これらのアイテムやステンドグラスから壁の色が作られているようにすら思える空間の統一感。そこに元々の古屋のころからあったであろう、横須賀米軍基地のフレンドシップデーのステッカー（1978）！？

これにはすっかり脱帽です。参りました。

それでも手を緩めてくれないのがこの物件。仕上げは家事室という想定の空間。洗濯物のアイロンがけやちょっとした息抜きを奥様がする場所として作られた空間にはアンティーク家具を組み合わせてた造作と、化粧室、さらにバルコニーが隣接しています。マニアックな旦那様に疲れた時に、ここで癒されてほしいと願う作り手のやさしに、ほろりとさせてくれます。

そんな訳でこの物件。物への愛が尽きない方には一度見てもらいたい物件です。ちなみに秋谷の海までも2分くらいで歩いて行けます。