賃料：

16万円

面積：

69.57㎡

もともとの色なのか、年月を経て徐々に変色したのか。クリーム色にもベージュ色にも見えるタイルと、白いふちどりが目立つマンション。その同系色の組み合わせが絶妙で、奥の建物と分厚い曇り空までも含めて、白が作る1つの風景に見えてきます。

この日はあいにくの天気で、途中雨もぱらつきましたが、この天気のおかげで見えた表情もあるんですね。雨で濡れて艶めいた石畳もまた素敵で、なんだか建物すべてがお上品な佇まい。寒空の下、冬がよく似合う建物だなと思ってしまいました。

室内もまた、程よいレトロさ。濃紺色の玄関扉、洋室の天井の模様、下駄箱の木目の表情、日焼けした畳に心がくすぐられます。扉の開閉にコツが必要だったり、窓の動きが少し重かったりと、築35年相当の扱いづらさは感じるのですが、水回りはしっかりクリーニングされていて、キッチンも交換されている。生活に不便を感じることはなさそうです。

窓から見えるのは立派に育った隣地の植栽。建物どうしが近すぎず、程よい距離が保たれているので、窓を開けはなしても視線は感じにくいでしょう。時折聞こえてくる踏切と電車の音も、思っていたより気になりませんでした。

こんな天気でも、室内は照明をつけずにこの明るさです。各部屋に窓が多いのも嬉しいポイント。日中はできるだけ照明をつけずに生活したいものです。

小町大路沿いにあるこのマンションは、鎌倉駅から歩いて10分ほど。寺社仏閣も点在していて、しっかり鎌倉らしさを感じられながら、日々のお買い物やお出かけにも困らない場所です。都内へ通勤する方にとっても、現実的で良いのでは。

バス通り沿いの商店の賑わいは言わずもがな。近年新しいお店も増えてきていますが、昔からこの街を支えてきた建物をいかし、良いところを残しながら改築されたお店が多い印象です。元々どんな街並みだったのか、そんな背景を知ってから歩くと、より一層愛着が湧いてきます。

街も家も程よいレトロさを感じられるこの場所が、鎌倉の中でも私のお気に入り。物件を見に来るときはぜひ、鎌倉駅からのんびり歩いてきてほしいなと思います。