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column 2018.1.31
 
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R不動産サミット in 鎌倉 公開トークイベント「鎌倉から、地域資本主義の話をしよう」レポート(前編)
安田洋平(Antenna.inc)
 

2017年10月12日、鎌倉にて全国のR不動産の代表が一堂に会する「R不動産サミット」が行われた。その公開トークイベントの様子をダイジェストでお送りします。テーマは「地域資本主義」。それは果たして何なのか? また全国のR不動産とどうリンクしているのか?

第1部 面白法人カヤック 柳澤大輔 × 東京R不動産 馬場正尊

面白法人カヤック代表取締役・柳澤大輔。カヤックは鎌倉R不動産のオーナー会社。 写真=松永 勉

柳澤「資本主義に限界が来ていると言われますが、まずGDPという指標への違和感というか、この指標だけで豊かさは測れないんじゃないかと感じるようになったことが挙げられます。GDPという指標ができたのは第二次世界大戦中で、実は100年足らずの歴史しかありません。GDPを追求していくことで国も豊かになるし、それは一定の幸せにつながると信じられていた。でも基本的には質を測るものじゃない。だからこれだけ追いかけてても、本当の幸せとは乖離し始めているというのが現在の実感ではないか。
資本主義の限界を感じる2つ目の理由は、富の格差がこの何十年で見るとむちゃくちゃ広がっているという事実。3つ目は地球環境、資源を食い潰していること。
結局、豊かさを再定義しないとだめだということなんですね。量だけを頼りにGDPを追い求めて格差が広がって資源を食い尽くしてきたわけだから」

“地域資本”に焦点をあてた新しい資本主義の模索について語る。写真=松永 勉

「だから、既存の資本主義は肯定しながらも、GDPを補足する新しい指標をつくらないといけないと思うのです。
で、ここからはちょっと飛躍があるんですけど、地域に企業がコミットしていくと、人生の質が上がりそうだという気が最近しているんです。例えば地域のコミュニティーがあり、山や海など自然がしっかりあって、近くに文化遺産も残っているという住環境、そうしたものの価値をちゃんと守っていくと、それは資本になるんじゃないか。その資本をしっかり伸ばしていくと、新しい価値になるんじゃないか、それを『地域資本主義』と名付けたらいいんじゃないかってところまでを考えてみたんです。そしてR不動産の馬場さんにこの話をしたところ、この言葉だけですごく反応してくれて」

東京R不動産ディレクター 株式会社オープン・エー代表、馬場正尊 写真=松永 勉

馬場「柳澤さんがR不動産にやってきて、『地域資本主義』というアイデアについて今真剣に考えているって突然切り出されたんです。でも聞いた瞬間に、なんて美しい言葉なんだと思ったんですね。

『地域』も『資本主義』も極めて一般的な言葉だけど、その2つがくっついた瞬間に、今までいくらでも聞いたことがありそうでその実初めて聞く言葉になっていた。そしてそれは謎めいているのと同時に力強い。なぜだろう? と考えてみると、地域主義と資本主義って一見相反するじゃないですか。

資本主義とは拡大しグローバリズムへと向かっていく欲望であり、大きくなっていくことが基本構造としてある。でも、頭に地域という言葉を付けた瞬間に、何かが変わる。そこに魅力を感じたのです」

鎌倉らしさを活かしながら新しい資本主義を考える。例えば鎌倉ならではの固有の「風景」が持つ価値について考えてみる。 写真=杉浦貴美子

「R不動産は、鎌倉R不動産、神戸R不動産というふうに、エリアごとにR不動産を展開しているけど方法論も稼ぐ方法もバラバラ、地域の規模とか、そこにいる人材などによって収益構造も、そもそも働き方自体も変えていかなきゃいけない。東京R不動産は不動産の仲介手数料のモデルで成り立っているけど、地方に行ったら家賃がすごく安いから、飲食店出してみたり設計事務所と組み合わせたりで、ぜんぜん違う方法論を結果的につくり出している。

そういう経験がある中で鎌倉資本主義って、鎌倉らしさをうまく活かしながら新しい資本主義を目指す感じで、なんか構造的にR不動産と直感的に似ている気がした」

「Googleの画像検索で『郊外 風景』と打つと、均一な風景が山ほど出てくる。日本の地方都市は、基本全部こうじゃないですか。
もっとも僕は否定もしきれないというか、これが求めてきた便利さの風景でもあるのも事実。ただ、今感じ始めているのは日本はずっとこの風景を追い求めていくのか。僕らは、子どもや孫をこの風景の中で育てたいのかっていうこと。先日、僕が教えている大学の学生たちに、自分が住みたい理想の街の風景を描けといったら、全然予想外の絵が仕上がってきた。素朴で、どこか懐かしさすら覚える景色だった。
また、昔は田舎を出て東京の会社に行くのがかっこいいという価値観だったけど、今はむしろ地域に根ざしていい仕事をしようとする方が魅力的という空気が流れていて、若い世代の価値観は変わり始めている」

稲村ヶ崎近くの浜 撮影=後藤武浩

「そうした中で柳澤さんが言ったような『新しい指標』とは何なのかを考えてみる。
たとえば、社会関係資本という概念がある。人とのつながりの資本化。魅力的な人と幸せな関係性が作れるっていうのはすごく重要ですよね。僕自身、そうした関係性を作るためにずいぶん努力もしお金も使っている。この、社会関係資本というようなものが定量化できたとしたなら、もしかすると貨幣価値に匹敵する価値基準となるのかもしれない。

それから日本は風景をひたすら消費もしくは破壊してきた気がしますが、たとえば鎌倉は美しい風景を維持できているということによってどれだけの観光客を呼び込め、どれだけの外貨を稼げているか。そういう事実を『風景資本』としてカウントしていけたらいいのかもしれない。さらには街に、素敵な人がたくさん住んでいるということ自体がものすごい地域の資産。それを指標化できないか? このようにして、地域資本主義における資本とは何なのかっていうことをひとつひとつ挙げていき、それを定量化する何らかのメカニズムが作れるなら状況が違ってくるのではないか。それを鎌倉でできたら嬉しい」


柳澤「巻き込んで一緒にやることそれ自体が地域資本主義であるという気もしていますし、実際そうしていきたいと強く思っているというのが、今の何よりの感想です」

登壇者のスリーショット。司会は、「進め!電波少年」でTプロデューサー・T部長として出演していた、日本テレビ放送網株式会社 日テレラボ シニアクリエイター土屋敏男さんが務めてくださいました。 写真=松永 勉

(後編へつづく)

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