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2026.5.7
NEW
街を楽しくする 場所の自由 作戦アリ

dig kamakura 建築トーク【後編】

鎌倉R不動産
 

2026年2月に建築工事がはじまったdig kamakura。

設計についての話を中心とした「dig kamakura 建築トーク【前編】」に続き、後編では建築予定地での出来事や、建築後に起こってほしいことまで。設計を依頼したVUILD株式会社の代表・秋吉さんと、鎌倉R不動産の野津・小松の3名の対話をお届けします。

前半に引き続き、建築予定地の開放を振り返ったり、建った後の妄想まで。3名の対話をお楽しみください。

――建築予定地を約10カ月間、みんなが自由に使える場所として開放しましたね。振り返って、どうでしたか?

野津:最初からどうしようという計画があったわけではなくて、着工まで1年くらいかかりそうとわかった時に、自分が毎日通る場所が味気ないロープで囲われた砂地っていうのが素直に嫌だったんです。それで、人工芝を張って開放しました。

VUILDからテーブルとベンチなどの什器をお借りして置いたんですが、設置中に親子がやってきて、子供が什器によじ登り出したんですね。その後は、学校帰りの学生が基地みたいなものを勝手に作っていたり、場所貸ししたときは商品を置く台として活用されたり。みんなそれぞれ自由に使ってくれて、開放して心地よい空間になりました。

小松:私有地でも、節税対策とか大人の事情でやってる生産緑地や都市公園みたいなものはたまにあるけど、ここまで自由に何をしてもいい場所って、今どきなかなかないですよね。

野津:当初は、ゴミが捨てられることや荒れてしまうことを心配して、禁止事項を書いた立て看板を設置する意見もありました。でも、利用する人を信用していないようなメッセージを出すなら、そもそも開放しないほうがよいと思って。結果的には何も設置せず、するとそういった思いも伝わったのか、みなさんが気持ちよくきれいに使い続けていただきました。嬉しかったですね。

建築予定地に人工芝を張って什器を置き、誰でも自由に使えってもらえる場所に。

家具づくりのワークショップも開催されました。

――VUILDのデザインされた什器がそこにあったことも大きかったような気がします。誰かが何らかの意思を持ってほったらかしているというメッセージが伝わったのでは?

秋吉:不良少年がたむろするでもなく、夜に通りかかると、大人がお洒落に缶ビールを飲んでいる光景を目にしました。鎌倉の民度は高いなと(笑)。実はいろんなドラマが起きていたんじゃないですか。

野津:絵になる場所ということだったんですかね。ウェディングフォトを撮ってる方もいましたよ。

――1階の路地に面してベンチを設計されています。どんな使われ方になるでしょうか?

秋吉:これまでの開放していた場所と同じような自由さという意味では、大きな存在になるんじゃないかな。土日は人で埋まってるみたいな場所になってほしい。

野津:屋上を開放しますが、階段が厳しいおじいちゃんおばあちゃんやベビーカーの方にも使ってもらいやすい場所として、路地にベンチをつくることにしました。

小松:近くに似たような休憩スポットがこのへんにあるよ、という情報が集まるマップなんかがあってもいいですよね。でも、実際、あまり思いつかないな。全然話はそれますが、かつて、今の鶴岡ミュージアムの池に面した休憩所があって、あれは最高の場所でしたね。池からの反射光がゆらゆら光っていて。

秋吉:ベンチ側にも建物の窓はあるんですが、あえて開かないようになっています。ベンチに多くの人が座って中を覗き込んで、結果としては集客や購買につながるのではないかと。

野津:窓が開くと、そこのベンチが店内側のテナント用の場所みたいになってしまうんですよね。そうではなく、みんなの場所にしておきたかった。

秋吉:商業施設でも、公共的な空間を作った方がむしろ人は来るし、売上にもつながることが実証できればいいですね。常に人がいる求心力があれば、経済と人の好循環が産まれるんじゃないかな。特にここは、クレープ屋さんとアイス屋さんに挟まれた奇跡の立地ですからね。

小松:ベンチがあることで、敷地の横の路地っぽさも強調されそうです。道路拡張が進んでいるこれからの時代に、新たに鎌倉に路地を作るっていう。

秋吉:基礎の立ち上がりに座る場所を一緒に打設している作りなので、あまりお金もかかってない。それだけで集客につながるわけだから、どんどん真似してほしい。

小松:建物と一体で作られているというのは、ちゃんと意図されて設計されている印象になって、非常にいい。それはそれとして、建築後に置かれる家具とかも僕はとても好きなんですけどね。バス停に置いてある謎の椅子とか。

路地に面した壁面にはベンチをつくります。(パース提供:VUILD株式会社)

――開放する屋上の使われ方で、思い描くイメージはありますか?

秋吉:ひとつ夢がありまして。スペインのカサ・ミラに行った時に、屋上で夜にコンサートをやっていた。そこに行けば常に人がいるし、ライブをやっちゃおうか、という雰囲気がとてもよかった。dig kamakuraの屋上でもコンサートやライブをやりたいですね。

野津:あそこに行けば常に何か面白いことをやっている、継続的に何かが起こっている場所になると嬉しいです。入ってくれるテナントも、そんな人たちだといいですね。

――みんなが自由に使える場所を残すことを応援してもらう、クラウドファンディングも始まっています。

野津:クラファンをやるかは、当初は少し悩んでいました。事業として収益をあげる建物なので、自由に使える場所の建設費とはいえ、クラファンを使うのはどうなんだろうと。

秋吉:僕はクラファンはプロジェクトを認知してもらい、応援してもらう手法としてとらえています。応援を通じて、建築や居場所を作ることに参加できるわけですから、街に関わるためのとっかかりになる。

野津:そうですよね。空き地を使ってくれた方からの「応援したいからクラファンやりなよ」という声にも後押しされて、実施することにしました。
※応援メッセージはこちら

リターン品も、地域や建築とつながりが持てるものにしています。建築資材の余材でつくるグッズや御成商店街の銘菓詰め合わせ、建築系の体験ワークショップ、屋上ポップアップ利用権など。

そしてクラファン限定のスペシャル企画として、秋吉さんと小松さんによる建築紹介とまち歩きツアーも用意しました。今日話したことよりももっと深い裏話など、盛り上がると思ってます。

クラファンを通じて、この場所と関係性を持つ人がもっと増えてほしいです。ということで、本日はありがとうございました!

秋吉・小松:ありがとうございました!

完成を楽しみにお待ちください!

■dig kamakura 公式サイト
https://digkamakura.jp

■お知らせ:秋吉さんと小松によるdig kamakura建築紹介と御成町まち歩きツアーを開催【6月28日(日)10時~、事前申込制(有料)】

当日は、秋吉さんにdig kamakuraの建築について現地で解説いただきます。開催日の6月28日(日)は建築途中の段階である予定ですが、そのようなタイミングであることも貴重なツアーになる予感が。また、近くにある別のVUILD設計の建造物もツアー予定です。
建築ツアー後は、小松がdig kamakura近隣の御成町を中心にまち歩きツアーをします。ちょっとマニアックな、「ディグる」視点での秋吉さんと小松による貴重なツアー、是非ご参加ください!!

申込はこちらのクラウドファンディングのサイトからお願いします
https://motion-gallery.net/projects/digkamakura
ツアー以外にもdig kamakuraとつながりを持ちながらプロジェクトを応援できるリターン品などもございます。応援よろしくお願いいたします!

秋吉さんと小松によるdig kamakura建築紹介と御成町まち歩きツアー、お楽しみに!!(写真右:撮影 八幡宏)

ゲストプロフィール

秋吉浩気さん
VUILD株式会社 代表取締役CEO
https://vuild.co.jp/

VUILDは「いきるとつくるがめぐる社会へ」をVISIONに掲げる建築系スタートアップです。デジタルテクノロジーを活用した建築設計・内装設計から、特殊形状の什器や内装の制作・施工までを行い、建築という付加価値の高い一品生産物を誰もがつくることができる「建築の民主化」を実践しています。

主な受賞歴にUnder 35 Architects exhibition Gold Medal賞(2019)、グッドデザイン金賞(2020)、Archi-Neering Design AWARD 2021 最優秀賞 (2022)、Archi-Neering Design AWARD 2023 最優秀賞(2024)、みんなの建築大賞大賞(2024),日本建築学会新人賞受賞 (2025), iF Design Award Gold Award(2025), AACA賞(2025)

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